メルボルンに住んで、三ヶ月が過ぎた。
はじめの二ヶ月は、新しい生活に慣れることに必死で、
通帳の残高がゼロに近づく恐怖に怯えて、自分のなかで思っていたようになんて
全く進まなくて、代わりに予想外のことは色々と起きて、のらりくらりと
生きてきたわたしにとっては初めてと言っていいほど重い気持ちが続いていた。
貧困問題をどうにかしたくて、コーヒーに関わるためにバリスタとして働きたいと
思い続けるものの、英語も話せずスキルもなくて本当にただ気持ちだけで
飛び込んできたわたしには、そう簡単に進める道ではなく…。
仕事を探す上ではどうにもこうにも、やはり”経験”という壁があって。
いまのわたしが唯一持っているパッションさえも伝えられずに毎日が過ぎて行って、
悔しさでいっぱいになるばかり。
そんな中でも容赦なくお金は減っていくし、人生って甘くないなあ。
と思いながら気持ちだけは消えないように、”元気の出る曲”を検索したり。
これまでの人生でもそうだったのだけど、わたしが目標から逸れそうになったり、
気が抜け始めたり、サボりそうになったとき、
ふと神様が「ずれてきてるぞ、シャンとしろ」と言っているかのような、
ハッとさせてくれる機会が訪れたりする。
それはメルボルンでも同じように起きてくれて、
まだまだホラ吹きのちっぽけなわたしの気持ちを拾ってくれる方や、
背中を押してくださる方たちとの出会いに巡りあうことが出来ている。
いまはどうにかバリスタではないけれど、他の仕事を貰えて生活しているところ。
久しぶりに一日フルで仕事をしたら、やっぱり人と関わりながら動ける仕事が好きだなと、
人の笑顔を見るのが好きだなと思えた。
まだまだ目標に向かう準備期間でもがいているけど、
英語環境で働けているおかげで経験値はミリ単位でも上がってるはずだと思う。
もうひと踏ん張り。絶対に届く。全て糧になる。自分の居場所は自分で作る。
そして、不安になって気持ちがごちゃまぜになったときには、
こっちに持って来た向田麻衣さんの本を読み返してやる気を頂く。
ー自分に自由を許そう。自分に幸せになることを許そう。
行けるところまで行きたい。自分にかけてみたい。ー
いまのわたしに響く言葉。
生きることさえままならない世界にいる人たちを知って、
助けたいと思って、何が出来るんだと考えて、
まず行動しないと始まらないと思って、ここにいる。
だけど未来を思ったときには自分のしあわせも欲しくて、わたしは所詮、
自分の人生を丸ごとかける勇気なんてないただの偽善者なんだと胸が痛んだりする。
でもいまは、偽善者だろうが何だろうがやりたいことをやろうと思えるようになった。
みんなが偽善者になって世界が良い方向に向かうならそれでいい。
ただ進むことを考えて、吹っ切れたらなんだか少し強くなれた気がする。
愛することで、傷つく勇気。自分の心に素直になろう。