※ こちらのストーリーは、CanPathからの質問に回答して頂くかたちで投稿されました。
簡単な自己紹介をお願いします。
こんにちは!僕は、高校生でイタリアのナポリに10ヶ月間留学し、高校に留学生として通いました。現在は学生をしております。現在の趣味は料理とファッションで、両方とも留学を機にとてもハマりました。(完全なるイタリアかぶれです 笑)
留学に行く人は、比較的テンションが高いと思われがちですが、実は落ち着いた性格で、自分から積極的に行動することは苦手です(泣)でも、両親の趣味が旅行ということもあり、小さい頃からよく海外へ連れて行ってもらいました。そのため海外にはとても興味がありました。
なぜ海外に行ったのですか?
結論から言うと、母親の影響です。現在在学中の学校は、一般の高校や大学に比べ、比較的留学のしやすい学校で、毎年数十名もの生徒が海外へと送り出されています。同じクラスから友達同士(派遣国は違います)で留学するというケースも珍しくなく、揃って留年(留学は留年扱い)してもスムーズに新しいクラスに馴染めます。
入学当初の僕には、留学する気なんてさらさらありませんでした。なぜなら積極的でない性格な上、言語・文化も違う異国の地での10ヶ月間の生活を最後までやり通せる自信が無かったからです。しかし、この気持ちを理解しようとしない母親は、「留学できる機会なんて滅多に無いから絶対に行った方がいいよ!!」と口うるさく言うばかりで僕はただ、「はいはい、分かった。」と返事だけしていました。
母親が高校生だった時、夏休み期間での短期留学を望んでいたそうです。両親からは「あんた何考えてんの?」と言われながらも許可を得ることができましたが、決め手となる英語の先生からは、「夏休みの補講には参加するべきだし、あなたは学生なんだから勉強に励みなさい。」と言われ、それまで高ぶっていた感情が後押しする人の存在が無かったためにその一瞬で現実に引き戻されたと聞きました。後押ししてくれる人の存在は非常に大きなもので、この一言のためだけに自分の人生が大きく左右されてしまったことをとても後悔したそうです。
この話を聞いて以来、それまで留学を否定していた気持ちが少しずつ変化し、「留学することで自分の人生を大きく左右させたらもっと自分の世界が広がるのではないか?」、「留学という大きな壁を乗り越えられたら、人間的に一回りも二回りも成長できるのではないか?」と思うようになり、留学することを決意しました。
学校に通い始めて間もない頃
なぜその行き先を選んだのですか?
アメリカやカナダには旅行で何度か連れて行ってもらったことがあり、留学=アメリカ・英語圏ではないと思ったので、一度も行ったことのないヨーロッパに行こうと思っていました。ヨーロッパにはフランスやイタリア、ドイツ、スイス、ベルギーなど多くの国があり1ヵ国に絞るのに大変迷いました。そんな時、昔習い事で通っていたバイオリン教室の海外留学経験のある先生にどの国が一番良かったか尋ねたところ「イタリアは良い所だよー!」と言われました。確かにイタリアには、歴史的建造物や美しい町並み、グルメやファッションなど魅力的なものがたくさんあるので、是非イタリアでの日常生活を身を持って体験したいと思い、イタリアに決定しました。
※僕が経験した留学プログラムでは、派遣先の都市や町まで指定することはできません。
ナポリの町とヴェスーヴィオ火山
海外体験後の英語レベルはどうでしたか?
実際に使用する機会が少なかったため、ほとんど上達していません。イタリアの公用語はイタリア語なので、日常生活ではイタリア語を使用していました。完全なるゼロスタートで、異文化体験を一番の目的としていた留学だったのですが、日常会話がある程度できるレベルまで上達しました。(ニュースや映画はもちろん、マニアックな話や大人数での会話はまだまだ理解できそうにないです 泣)意外にも英語とイタリア語は発音が似ている単語が多いので、分からない英単語もイタリア語から推測できてしまいます。
英語なら皆さん中学校・高校で勉強されていて土台はできているはずですので留学先でそれなりに努力して頂ければ、僕のイタリア語のレベル以上まで上達できると思います。
治安はどうでしたか?
どちらかと言えば悪いです。犯罪が頻発しているわけではないのですが、夜女性が安心して街中を一人で歩けるかというと、心配です。(ホストファミリー情報です)人ごみの多い場所や電車内にはすりがいますので貴重品の管理には十分に気を付けていました。(すられた経験は一度もありません)
言葉の壁をどう感じましたか?
ゼロスタートで英語もまともに話せない僕にとっては、なかなか厳しかったです。出発前は書店で販売されている旅行会話の本などを参考に例文を覚え、いざ現地で「スーパーに行きましょう。」とイタリア語で言おうと思ったのですが、例文の単語がスーパーではなく映画館であったため、うまく意思疎通ができなかったのを覚えています。それでも到着して間もないころは、ジェスチャーでも絵でもいいと思い、一生懸命伝えようとしました。すると、相手も自然と耳を傾けてくれます。要するに最も重要なのは、コミュニケーションをとる気があるか無いかだと思います。言葉はコミュニケーションの後についてくると思ったので、必死に伝える姿勢を見せました。
イタリア語上達のためには、辞書から使えそうな単語、あるいはその日友達や家族から教えてもらった単語、「イタリア語で~ってなんて言うんだろう?」と疑問に思った単語を1日10個(もっといけそうなら増やしてみてください)ずつ単語帳に記入し、ひたすら覚えることもしました。(Androidをお持ちの方はankiというアプリがオススメです!!)文法書を読むことも上達への近道だと思います。
実際に上達を実感できたのは到着から3ヶ月後のことで、いつの間にか自分の言いたいことが、自然と言葉になって出てくるようになったのを覚えています。
文化の違いをどう感じましたか?
日本に比べて不便ではありますが時間の流れがゆったりとしていて、生活ものんびりしていました。日曜日はほとんどのお店がお休みですが、だからと言って平日朝早くから夜遅くまで働く人は、あまり見かけません。そしてイタリアの人々は低予算でも人生の楽しみ方をよく知っています。イタリアの生活を通してなぜ、今までこんなにも切羽詰って毎日を過ごしてきたのだろうと疑問に思いました。生きる最大の目的は、楽しむことではありませんか。彼らはそこを取り違えてはいません。毎週土曜日は、どんなに忙しくても友達との交流を持ち、日曜日は、家族で集まって食事をする貴重な時間を楽しみます。祝日はみんなでその日を祝い、誕生日は家族もお友達も呼んで盛大に祝います。こういった最近の日本人が忘れがちな何かを留学を通して再認識できたと同時に改めて日本の良い所を再発見する機会が持てたので本当に良かったです。
現在の自分にとってイタリアは自分が自分らしくいられる場所だと思っています。
人生で最高の誕生日
現地の食べ物はどうでしたか?
食べる量は半端ないですが、めちゃくちゃ美味しいです!!イタリアと言えばパスタ・リゾット・ピザ・ジェラートなどなど、美味しいものばかりです。
マルゲリータピザは発祥地であるナポリで生まれたもので、イタリアンカラーで彩られたバジル・モッツァレラ・トマトの相性と、もちもちと膨らんだ生地は食べた人を虜にしてしまうほどの美味しさです!(本当です! 笑)
朝食は日本と同じ時間帯に食べるのですが、ビスケットにコーヒーといった感じでと~っても軽いです。
お昼は午後日本人の方にはちょっと遅めの2時頃で、90%の確率でパスタを食べます。絶対に飽きが来るだろうと思われる方も多いかと思いますが、一口にパスタと言っても豊富な種類があり、ソースにも様々なバリエーションがあるので全然飽きが来ないんです!(個人的にパスタが好きというのもあります 笑)そしてお肉、締めのフルーツ・ジェラートといった感じです。
La-Pizza-Margherita!!
夕食もこれまた遅めで一般家庭では8~9時頃に取ります。お肉や野菜など日本でも食べられそうなものが多いです。そして、夕食もまた締めのフルーツ・ジェラートを食べます。
留学期間中に結婚式に参列させていただいたことがあるのですが、それはそれは長時間に渡る耐久戦でした。6~7時間もみんなでテーブルを囲み、ひたすら食べ続けました(笑)その他にも毎週日曜日に家族で集まって取る食事もたくさん食べます。
もうお気付きかと思いますが、これがイタリア人が太っている原因なんです。そのため、筋トレやランニングをするなどして、体系維持に努めていました。
読者へのメッセージをお願いします。
留学を考えておられる皆さんにとって留学をするかしないかはとても大きな決断だと思いますし、慎重に吟味しなくてはなりません。不安でなかなか行く勇気が出なかったり、後押ししてくれる人がいないために自分に自信が持てないなど、理由はよく分かります。それでもここで一歩踏み出してみてはいかがでしょうか?今後、留学の費用は取り戻せても、過ぎ去った時間は取り返しがつきませんよね。必ず人生を大きく変えるほど貴重な経験になると思います。
留学する上で認識していただきたいことは、
- 1. 留学は楽しいことばかりではないこと
- 2. 必ずしも英語や派遣先の言語がぺらぺらにならないということ
です。留学は楽しいことも辛いことも全部ひっくるめて留学です。その割合を変えられるのは皆さんの努力次第です。言語も同様に皆さんの努力が上達への鍵になります。
他国の留学生との交流
出発前の方で語学を上達させたいと思った方は、「Shared talk」がオススメです!これは、母国語と学習言語がお互いに逆のユーザー同士がマッチングし、チャットやボイスチャットを無料で楽しめるといったインターネットサービスです。じゃんじゃん会話しちゃいましょう!
留学すれば現地の人に日本の文化について質問される機会がたくさんあるので、どんなことを聞かれてもしっかりと答えられるように日本の文化について理解をしっかりと深めておきましょう!あと、日本料理もリクエストされることがあるのでこれから料理のレパートリーを増やしてみてはいかがでしょうか?(僕はこれらのことで後悔したので、皆さんには是非実践して頂きたいです。)
派遣先に到着して間もないころは、脳がその国の言語に無理に慣れようとするため、普通に生活していてもと~っても疲れます。心配しないでください。それが当たり前なんです(笑) なので、初めの約2~3週間はガッツリお昼寝することをお勧めします!!
留学先の学校では始めの3~4日間で楽しくお話できるお友達が1~2人見つけられるかどうかがその先の留学生活を有意義に過ごせるかどうかに直結してくるので恥ずかしくても自分から積極的に行動しましょう。(受け身は絶対にいけませんよ!)
帰国してから2年程経ちますが、僕と留学先の友達やホストファミリーとの関係は今でも続いています。日本以外に帰れる場所があるということは、とても素晴らしい事です。今年の春休みは一人イタリア旅行でホストファミリーや友達に会いに行ってきました。
皆さんが、留学を通して貴重な経験をされますことを心より望んでおります ^^
プロフィール | |
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出発時の年齢 | 16 |
出発時の語学レベル | 挨拶程度 |
職業 | 学生 |
期間 | 10ヶ月間 |
予算 | 200万円 |
実際にかかった金額 | 約180万円 |
内訳
※AFS高校留学プログラムを利用
【海外旅行保険】17万円
【航空券+留学費】120万円
【燃油サーチャージ】6万円
【宿泊費+学費】0円(ホストファミリーのボランティア)
【学費】0円(ホストスクールのサポート)
【ビザ申請】2万5千円(JTBに依頼)
【B型肝炎予防接種】1万2千円 ※ポリオ・ジフテリア・破傷風は接種済み
【交流費】35万円
イタリアのお土産+友達との外食(毎週土曜日)
+クラスメイトの誕生日のプレゼント代(イタリアでは18歳で成人)
※僕の場合は使いすぎです(笑)
合計:約181万7千円