Canpath
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貧乏学生の英国生活

※ こちらのストーリーは、CanPathからの質問に回答して頂くかたちで投稿されました。

自己紹介

学生時代に奨学金をいただいて約1年間、イギリスのシェフィールド大学というところで留学をさせていただいたものです。
あまり日本では聞き馴染みがない大学かもしれませんが、シェフィールド大学はイギリスの中でも優秀な大学のひとつとして知られています。
当時は近代英文学を専攻しており、留学先では文学や国際関係学、日本文化学などの授業に参加していました。
  

なぜ海外に行ったのですか?

もともと英語が好きだったこともあり、大学は迷わず英語系の学科に進学しました。
英語を学び始めてしばらくしてから、いつか絶対に留学にいくと決めていて、高校ではそれを実現することができなかったため大学4年間で達成することを決意しました。
  
とにかく外に出てみたい、自分の英語を根底からレベルアップしたい、という気持ちが強かったです。
それまで一人暮らしをしたこともなかったのですが、とりあえず自分を言葉というハンデがある世界の中で否が応でも暮らしていかなければならない状況に自分を追い込みたかったというのもあります。

なぜその行き先を選んだのですか?

以前イギリスに短期間の旅行にいったとき、とにかくそのすべてに衝撃をうけたことで私の中で「イギリス」という国が大変魅力的に映っていたという理由があげられます。日本と同じく島国で大きさもほとんど変わらないですが、その歴史とモダンを融合する姿勢や伝統を重んじる意識の高さにとても感銘を受けました。またブリティッシュイングリッシュも当時の私にはとてもかっこいいものだったので、ばりばりのアメリカンイングリッシュを話していた私にとってのあこがれでもありました。
また、日本にもいえることではありますが、イギリス国内でもそれぞれの地域に多様性があり独自の文化や言葉などが根付いていたことも理由のひとつです。
  

海外体験後の英語レベルはどうでしたか?

読解の力は自分ではよくわかりませんが、確実にリスニング力はあがったと思います。最初のころはただでさえ聞きなれないブリティッシュイングリッシュに加え、シェフィールドならではの表現や発音に悩まされました。同じクラスの生徒はもちろんお店やバスの運転手との会話すら聞き取りが難しく落ち込むこともありましたが、のちにほかの留学生仲間に聞いたところ、ほぼ全員が最初は何をいっているのか全く分からなかったとのことでしたので少し安心しました。
今ではほとんど聞き取りに問題はありませんし、話すスピードや言葉の選び方なども、留学前に比べると向上したのではないかと思います。ただ、こちらに来ている日本人の多くは固まって常に日本語でしゃべっていたため嫌悪感を覚え、その中に入らなかったことも英語のレベルをあげるのに多少なりとも手伝ったのではないかなと思います。
  

治安はどうでしたか?

治安に関しては、私はほとんど被害を受けたりなどはしませんでした。
町全体が学生街ですので夜遅くでも割とどこにでも学生がフラフラ歩いていてそんなに危ない人が多いという印象は受けませんでした。町の人々も、学生が多いということを知っていますので大変フレンドリーに接してくれました。
ただ、なぜかほぼ毎日警察のサイレンが聞こえていました。それでもイギリス国内での治安はトップクラスの安全性を誇っていると、大学のオリエンテーションで地元の警察官が説明していました。日本と張るほどの治安ではありませんのでさすがに夜中になるとタクシーで帰ることをすすめられていましたが、基本的な町全体としての治安はたいへん安心できるものだったと思います。
  

現地の食べ物はどうでしたか?

正直に申し上げて、可もなく不可もなく。自炊が一番ベストな方法だと思います。安くおいしく自分の好みの味にするためには自炊の一択だったと私は思います。食べるものすべてがまずいというわけではなかったのですが、「この値段でこのクオリティなら買わない」といった表現が私の中ではしっくりきます。
ただ、イギリスのまずい食べ物としてよくフィッシュアンドチップスがあげられますが、シェフィールドはこのフィッシュアンドチップスが有名らしく、比較的ほかの地域よりもおいしいものが手に入りました。思っていたほどまずくなく、むしろおいしかったので学校帰りによく近くのスタンドで買って食べていました。お値段も300~400円ほどでおなか一杯になるのでその点は満足でした。
  

言葉の壁をどう感じましたか?

言葉に関しては、やはり最後の最後まで完璧といえるようにはならなかったです。
基本的に授業中にはどこかしらわからない箇所がありましたし、発言したいことが頭の中に山ほどあってもそれをうまく伝えられず結局中途半端なことしかいえないことが大変くやしかったです。ですが、それをばねにどんどん人とのコンタクトをとるように意識していましたので、多少言語としての表現が間違っていても言いたいことはたいてい伝わる、そこまで完パーフェクトを望まなくとも人とのコミュニケーションは可能である、ということもまた実感しました。
  

文化の違いをどう感じましたか?

向こうでは日本であるようなスタイルの飲み会ではなく、バーに行ってひたすらビールだけを飲みつまみはほとんど食べないという感じでしたので、日本の飲み食べ放題を少し恋しく思いました。しかしバーではみんなとてもオープンで誰に対しても話しかけたりしますし、週に何回かライブを開催したりその場にいる人たちでクイズナイトをしたり、とてもアットホームな空気もあったのでそこが日本にはない文化だなあとしみじみしました。そんなに社交的な性格ではなかったのですが、バーのそういったリラックスした空気は心地よかったです。
  

読者へのメッセージをお願いします。

海外での生活に不安を感じることは避けられないと思います。
しかし実際に行ってみると、全てのことがたいていなんとかなります。
なんとかならないと思った時には、思い切って周囲の人にとにかく助けを求めて積極的にコンタクトをとることが大事だと思います。
限られた滞在の中で、最大限にその国を楽しむために、常にアンテナを張ってすすんでアクションを起こせるように心がけることをおすすめします!
   
  
イギリス、というかヨーロッパ地域のいいところはなんといっても格安で他のヨーロッパ諸国を回れることです。私も在学中にドイツやフランス、スペイン、イタリアなどの国を回りました。チケットの安い時をねらえば往復でも6000円以下ほどで旅行できましたので短期間の休みができたときに気軽に気分転換ができたのがよかったです。
  

プロフィール   
出発時の年齢 22
出発時の英語レベル 日常会話程度ならば支障がないレベル
職業 大学生
期間 約10か月
学校 The University of Sheffield
予算 約200万
実際にかかった金額 約170万

内訳


【生活費】10万円/月
【交通費】50万円(旅行等含)
【海外保険】約20万円

この記事を書いた人

Johnson
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