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友人の一言

トルコ人のルームメイトと暮らし始めて一週間。読み書きはそこそこだが、未だに聞くのはかなり苦手で、会話も流暢にはできない。語彙もなく、「ごめん、それ何て意味?」「なんて言ったの?」としょっちゅう口を挟む日々。正直、肩身が狭い。

そんな中、夕食を摂っている時にルームメイトの一人、Mがこう言った。彼は親切なトルコの友人たちの中でもとびきり自分を気遣って、よく声をかけてくれている。初めて会ったときは真っ先に、「分からないことがあればその度に聞け。遠慮をするなよ。」と言ってくれた。何気ない雑談でも、単語を一つ一つはっきり言ってくれるので、彼との会話はほぼ100%理解できる。風邪をひいて寝込んだ時には、みかんとジンジャーティーを買ってきて勧めてくれる。彼の思いやりは常々痛いほど感じていた。

「今までは、おれはメチャクチャ早く話してて、舌も回らなくて、トルコ人の友達もたまに俺が何言ってるかわからないことも度々だった。お前のお陰ではっきり分かりやすく話せるようになったよ。」

皮肉を言っているようには到底見えなかった。会話の度に申し訳なさそうにしている自分を気遣ってくれているのが伝わってきた。
自分のためには勿論、突然転がり込んできた外国人をここまで暖かく迎えて、できる限りの手助けをしてくれている彼らの為にも頑張らなければ。そう思った。

アンカラに来てすぐ倒れて、完全に弱気になっていた時に父がこんなメールをくれた。「人間は誰でも弱いものだ。誰かに相談しなさい。お前には人徳があるから、知恵をさずけてくれるはずだ。」

人徳があるかは甚だ疑問だが、人には恵まれたものだ。感謝の気持ちを常に忘れず、一歩一歩前進したい。

この記事を書いた人

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Masato Yakabe
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from Tosu-City of Saga Hobby; Watching baseball game, listening to music, talking with people, reading a book about Islam, Model United Nation activity

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