初めての海外、オーストラリアの最初を支えてくれたのはホストファミリーです。
ケアンズで乗り継ぎブリスベンへ。そこからバスにゆられること2時間半、不安にかられながら到着したのは、海がすぐ近くの静かで奇麗な場所でした。Noosaという小さな街。
「Welcome!!」
どうしたらいいか戸惑っている自分がドアを開けると、陽気に迎えてくれたのを覚えています。一通り家の中を案内してくれた後、日本のどこから来たのか、自分も日本に行った事があるなどの世間話ですっかり気が楽に。
なんと日本でバイクのライダーとしてレースに参加していたこともあるとか…!
ずいぶん前のことになるそうですが、興味深く話しを聞かせてもらいました。
いろいろな話をしてくれました。自分にとっては英語のヒヤリングの練習になるからラッキー♪と思っていたんですが、その内容がかなり飛び抜けてて、英語よりも話してくれるエピソードに夢中に。
「ヨットが好きで若い頃は、太平洋を旅していた。」
ちょっと…、旅するスケールがでかすぎる…!
「ヨットは自分でつくる。」
まじで…。オーストラリアのDIYってそこまでいってる?
「そこの写真は新聞記者が撮ってくれたんだ。」
有名人…?
「そこのミニチュアラジコンは全部つくったんだ。」
いや、かなりデカいけどね。
「数学の大学教授もしてた。」
なにそれ、めちゃくちゃ頭いいじゃん…。
「バイクが好きでね。日本のレースにも参加したよ。」
大学教授とライダー…。ギャップありすぎや!
などなど、なんだか経歴が凄過ぎて、最初は、冗談言ってるんだと思っていましたが、笑っていると「Hey, 本当だよ」と真顔で言ってくるし、いろいろと思い出の写真とかも出してくれて…。日本で撮影したライダー姿はとてもかっこ良かった。
そんな彼が少し弱気に、
「でも、もう疲れてしまった。」
と、語ってくれた時が忘れられません。
暖かくて、海が近い、静かな場所。もう先が長くないんだからここに居るんだ、と教えてくれた彼の表情はちょっと寂しそうだったけど、充実した顔でもありました。
東京で毎日遅くまで働いていた自分にとっては、衝撃の人生です。
彼の経験は自分のそれとかけ離れすぎていて、しばらくは飲み込めませんでしたが
今では新しい価値観を教えてくれた事にとても感謝しています。
その後、彼のあり得ない冒険がまた始まったんだけどね!
ぜんぜん懲りてない…!