私が初めて海外に駐在したのは30歳代の前半、赴任地はオーストラリアのシドニーだった。気候もさわやかでビーチは自宅から5分位のところにありゴルフ場がたくさんある住環境としては申し分のない快適なシドニーライフを約4年間送った。とはいえ最初の半年くらいはいわゆるカルチャーショックも味わった。
たとえば家の修理に業者を呼んだのだが3ヶ月たっても来ないとか庭にオオトカゲが住んでいるとか巨大なゴキブリがたくさん出るとかシティのビジネス街をスーツを着たビジネスマンが裸足で歩いているとか、挙げれば枚挙に暇がない。しかし赴任後半年くらいしてからそんなことはどうでもよくなった。ここは日本ではないのだ。のんびりスローライフを楽しもうと意識が変わったのである。