2014年6月15日10時からトビタテ留学JAPAN第1期生の世界トップレベル大学コースの最終選考を受けました。後日大学の留学生課に提出した2次選考の報告書を共有したいと思います。
土日の4日間を午前と午後の部に区切り二次選考が行われます。私の選考は最終日の午前中でした。全体で60人ほどいて、それを15人ずつ4つのグループに分けてローテーションのような形で面接とグループディスカッション、プレゼンテーションが行われました。
服装:スーツに黒髪が多かったですが、綺麗目の私服(襟付きシャツにスカート・ズボンやジャケットを羽織る等)を着ている学生も見られました。
面接:
面接用の広い部屋2部屋がそれぞれ16のブースに区切られています。面接は書類を読みこんだ面接官と1対1で行われ、時間は30分です。10分前と終了時間に音で合図があります。
私の場合、面接で質問された事項は以下の通りです。
-1分の自己紹介
-留学を思い立った理由
-トビタテへの応募理由
-長所と短所
-留学先の大学の特徴(どこの国からの留学生が多いのか、場所や環境について)
-自分が周りからどのように評価されていると思うか
-大学で勉強以外に頑張っていること
-これまで最も苦労した経験
-過去の海外経験の内容(特にシンガポールとブラジル、オーストラリア)とそれぞれから学んだこと、それぞれの国の教育事情について
-留学先がフィンランドである理由
-留学後の展望
-専門について(生涯教育とは具体的にどのようなものを想像しているか。現実問題として生涯教育を日本で普及することは難しいと思うが、その問題に私自身どのように向き合っていくか。生涯教育が必要な人にこそ情報が届かない問題にどのように対処するか。学芸員や社会教育主事のアウトリーチ活動のためにはどのような仕組み、制度が必要だと思うか。)
-尊敬している人
-サークル活動を通して感じたこと、学んだこと
-外国人と接する時に心がけていること
…等30分間話し続けました。中には英語で質問する面接官もいたようです。
私を担当した面接官は、始終にこやかに私の返答に対して毎回肯定的な反応を示して下さったので、とても話しやすかったです。面接中に何度も留学を励まされました。
グループディスカッション、プレゼンテーション:
15人ずつのグループが2つ組み合わさり30人で行われました。広い部屋に机といすの組み合わせが6つあり、それぞれに5人ずつ座ります。各机には、面接官が1人ずつ座り、最後まで特に話すことなく見守っていました。その他にも7,8人ほどの面接官が席を移動しながら様子を見ていました。
グループディスカッションから始まり、テーマは「日本の高校生の留学を倍増するために施策を3つ提案しなさい」でした。30分間グループ内で話し合った後、代表者1人が話し合った施策を机ごとに5分で発表し、最後の5分で1人ずつこのグループディスカッションから学んだこと、考えたことを発表します。ディスカッションではどうせ皆話したがりなので、聞き役に回って気持ちの良い相槌を打ち、場をひっくり返すような意見を言わなければ落ちない、我が強い私は気を付けるように、事前に先生からアドバイスをいただいていました。本番のディスカッションでは個々の意見への批判がメインで、何となくまとまりかけた案を打ち砕くような意見ばかりしました。
グループディスカッションが終わると、1人5分の持ち時間で自分の留学計画についてグループの中でプレゼンテーションをします。時間は合図によって守られます。紙芝居やパソコンで発表する人が多く、英語での発表を行う人もいました。私は大きなスケッチブックに手書きで発表を用意していきましたが、無駄にかさばるだけなのでお勧めしません。私のグループの留学計画は全員交換留学で、大学院生が多かったからか、派遣先の大学の魅力と自分の専門・研究分野を中心に専門を掘り下げて話していました。日本の現状に問題意識を持っているということ、研究の専門性の深さ、学問としての価値、留学先の大学の有名度は全員共通していました。
私は交換留学だけではなく、実習・実践の場が計画に含まれている方がトビタテの趣旨と合うのではないかと考え、書類提出の段階で無理にインターンを組み込み、その具体的な内容を中心に話しました。専門の研究を留学計画の中心に据える他の4人に比べると、圧倒的に内容が薄かったように感じました。また、珍しさ、新しさで面接官を惹き付けることを狙って、フィンランドや生涯教育を強く押し出すプレゼンを用意したのですが、同じグループ内の東大の学生がヘルシンキ大学にフィンランドの教育を研究しに行くということで、国と専門がかぶり、大学の知名度と専門性に差を付けられ、私の意図は空回りしました。(追記:結果彼女も私も合格しました。)
グループの学生は、慶応大学の法学部、早稲田大学の法学部、お茶の水女子大学の文学部、東京大学の教育部であり、少なくとも世界トップレベル大学コースは難関大学の学生が多い印象を受けました。
感想:
書類選考も2次選考も、留学に対してどこまで深く慎重に計画を練り、これまでの大学生活の文脈と関連させて将来の明確なビジョンを描いているかが重視されていると感じました。
面接の30分間は想像しているよりもずっと長く、書類を読みこんだ面接官から、留学計画の明確性や動機、展望、人柄、研究内容を徹底的に聞かれます。質問に答える際に、専門の知識と問題意識を持ち、それを明確な言葉で語ることが問われているように感じました。普段の大学の授業はグループディスカッションが中心なので、この選考のディスカッション向けの対策は特にしませんでした。プレゼンテーションはそれぞれ質の高いものを用意してくるので、限られた時間の中で表現しきれるように、準備と練習は欠かせません。事前に大学の先生と国際課の方に見せて修正を重ねておいて良かったと後から感じました。
他の学生の留学計画を聞くと、自分の留学計画の足りない所に気付かされ、また、異なる分野、国での留学計画を聞けたことは良い刺激的になりました。私にとって良い学び・経験となり、直前からの準備で特に留学生課の方には多大な迷惑をおかけしましたが、トビタテに応募できてラッキーでした。私の未熟な書類の添削とプレゼンテーションの練習、模擬面接等、選考のための対策をして下さった留学生課の方々に感謝しています。改めてありがとうございました。