先週、オーストラリアの研究留学を終え、日本に帰国しました。
怠惰だけれど、久しぶりにゆっくりとした実家暮らしを1週間ほど送っています。
さて、今回はずっと書きたかった記事。色々な方のチェックを受けて、やっと投稿!
留学するなら、一度は読んでほしいです。
内容はキリスト教についてです。
海外に留学したり、外国人の友達ができたりすると、キリスト教に関わる機会もできると思います。そんなときに日本であまり馴染のないキリスト教(国内のキリスト教徒は全体の1%未満)に接するときに、恥をかかないために知っておいて欲しいことを書きます。
始めに言っておきますが、自分は「キリスト教がいい宗教だよ!」という意味では書きません。教会に行くときやクリスチャンの団体が主催するイベントなんかに参加するときに読んで、知識の足しにしてくれると嬉しいです。
まず、少し自分の話をしておくと、自分は洗礼を受けているわけでもないのでクリスチャンではありません。親は日本で一番多いタイプの仏教徒(仏教徒だけどクリスマスも祝う感じ)だし、まあその子供だから自分も仏教徒になるんじゃないかなってくらいの感覚です。そんな宗教に関しては特別何かあるわけでもなかった自分は、大学2年の春にアメリカに行ったことを機に、国内外で教会やら聖書を勉強する機会が増えました。
そして、オーストラリアでも普通に日曜日は教会に行って、週一回は聖書を勉強してる大学生のグループに行っていました。まあ、そこで友達と仲良くやっていて、満足していました。こんなことを書くと「カルトにでもはまってんじゃないか?」と思う人もいると思います。けれど、普通にキリスト教徒が多いオーストラリアという国に住んで、自分と同じように生活している学生たちに混じっていただけなので、自分はこれがカルトだとは思っていません。ただ、彼らがクリスチャンかどうかの話です。また、カルトでは?と思うのは、ごく普通の日本人的な考えだと思います。仏教や神道の国、日本では宗教(特に新興宗教)にかなり敏感かと思います。日本人に教会行っていると言うだけで、「え?」という反応をされたことも多々あります。ただ、この点も日本の地域色があるようで、都会ではキリスト教と言っても、驚かれることは少ないというアドバイスをクリスチャンの友人にいただきましたので、一概には言えないようです。そうは言っても、案外、日本人もまだまだ宗教(キリスト教やイスラム教の世界的に大きな宗教)に偏見みたいなのがあるなって言う話を帰国前に別の友人としたりもしました。
まあ、そんなわけで色々経験したことを踏まえて書いていきます。
そもそもキリスト教とは?
キリスト教とは簡単に説明すると、唯一の救い主のイエス・キリスト(英語ではJesus Christ)が、神の国の福音を説き、罪ある人間を救済するために自ら十字架にかけられ、復活したものと信じる宗教です(Wikipedia参照)。ちなみにこのイエス・キリストを救い主だと信じず、救い主がまだ来てないと考えている人たちがユダヤ教徒です。なので、キリスト教とユダヤ教の起源は同じです。
また、キリスト教徒は世界中で20億人以上いるそうです。ただ、この数には一応キリスト教徒ですって人や、名前も聞いたことのない教派の人も含まれ、一方で中国などでは国に許可されていない教会でもキリスト教徒の数が爆発的に増えているそうなので、このデータがどこまで正しいかはわかりません。とはいえ、世界中にキリスト教徒が多いのは事実です。
キリスト教には他の宗教と同じように教派があります。教派とは仏教で言うと真言宗と浄土真宗のようなものです。同じ仏教なのですが、考え方や背景が宗派によって少し異なります。キリスト教も同じで、多くの教派があります。最初は東方教会と西方教会に分かれ、カトリックやプロテスタント、聖公会などなど。名前も知られていないものや、正式にキリスト教徒して認められているのかよく分からない教派もあります
また、カトリックとプロテスタントでは呼び名も異なります。例えば、プロテスタントに牧師はいますが、カトリックにはいません。カトリックは説教する人を牧師ではなく神父と呼びます。
さて、キリスト教で学びのために最重要なものは聖書です。ちなみに聖書は世界で一番売れている本です。聖書には旧約聖書と新約聖書があります。旧約聖書はイエスの生まれるもっと前の書物で、新約聖書はイエスの生まれてからのことが書かれています。教会とか行くときは聖書を持っていくといいと思います。ですが、聖書なんて持っていないという人も多いと思います。そんなときは携帯やタブレットでアプリの聖書を無料でダウンロードできるので、それがおすすめです。
ちなみにキリスト教の基本とか歴史を学ぶ上で、いい動画をたまたまYou Tubeで見つけました。「池上彰の世界を変えた本 日本人が知らない聖書の謎」と調べると出てくると思うので、探しみてください。池上さんが1時間くらいで非常にわかりやすく解説してくれています。
教会に行く
留学すれば、色々なことに挑戦してみたいと考えることは、ごく普通なことかと思います。その中に、せっかくなら海外の教会に行ってみようと思う人もいるのではないでしょうか。教会側は基本的には違う宗教の人でも誰でもWelcomeしてくれると思います。
教会に行って、何をするのか?ということですが、だいたい三つのことです。
「お祈り」「説教を受ける」「クリスチャンソングを歌う」
説教と聞くと、怒られて道を正されるイメージがあるかもしれません。けれど、教会でいう説教とは、聖書の決まった箇所を読んで、それについて牧師・神父などがトークすることをいいます。
また、歌は外国の曲だと結構かっこいい音楽です。ギターやベース、ドラムを使って、本格的に演奏してるパターンが多いかと思います。ちなみに日本人でも知ってるクリスチャンソングは何曲かあります。Amazing Graceとかクリスマスの曲なんかはクリスチャンソングです。
そして、「お祈り」についてですが、これは最初は何もわからないと思いますので、形だけでも周りに合わせるといいと思います。
教会に行く機会は2パターンあると思います。
1つ目は自分で教会を見つけて、行くパターン。このときはしっかり、その教会が何の教派なのかを確認する必要があります。教派については上に記載していますが、どれがよくてどれがダメみたいなことはここでは書けません。自分で調べるなり、人に聞くといいと思います。ただ、無難に名前を良く聞く大きな教会に行くといいと思います。
2つ目は誰かに誘われるパターンです。キリスト教の国(欧米やオセアニア諸国など)の大学などでは、おそらく聖書を勉強するクリスチャンのサークルが存在すると思います。他にも大学に教会があったりするパターンもあるかもしれません。ちなみに自分がオーストラリアで行っていた教会はUnichurchと呼ばれて、キャンパスの中にありました。新学期が始まると、そんなサークルや教会の人たちが「よかったら来てみない?無料のご飯もあるよ」といった具合で誘ってきます。もちろん、そこで断ることもできますし、試しに行ってみることもいいと思います。
特に教会に関しては合う、合わないがあると思います。例えば、行ってみたらお年寄りばかりだった、なんてこともあるかもしれません。「ここは合わないな」と思えば、他の教会に行ってみるといいと思います。自分にベストな教会は見つかるはずです。
キリスト教の人たちと関わる
さて、教会や教会の食事会に参加する機会があった場合についてです。
①リスペクトを忘れないで
まず、一番大事なことはリスペクトを忘れてはいけない点です。教会に来たり、純粋にキリスト教を信仰している人たちは、とてもピュアです。なので、汚い話や悪い言葉遣いは好みません。
”Fuck”や”What the hell!”, また一番よく言ってしまう言葉の”Oh, my god!”や”Jesus!”, “Jesus Christ!” を言わないようにしてください。
前に、日本人の学生たちが教会の食事会に来たとき、彼らが気にすることなく、”What the hell!!”とか”Oh, my God!”と言っていて、冷やりとしました(もちろん悪気はないと思います)。正直、自分がこの記事を書こうと一番最初に思ったきっかけはこの一件です。
とはいえ、クリスチャンがこれらの言葉を使わないかというと、言葉を変えて同じ意味で使っています。例として
Oh, my God → Oh, my gosh or Oh, my goodness
what the hell → what the heck
Jesus → Gee
あくまでも日本人として恥ずかしくないようにしてくれると嬉しいです。
②純粋で優しいクリスチャン
クリスチャンの人たちはとにかく優しいです。そんなに優しくされると「優しく接するのは何か裏があるのでは?」と思う人もいるかもしれません。けれど、彼らが誰にでも優しく親切なのは、聖書の教えに忠実だからです。そして、彼らは教会に来てくれることをとても喜ぶので、兄弟のように優しく接してくれます。
また、生活も聖書に従順な人が多いです。そういう人はお酒を酔っぱらうまで飲んだりすることもなく、恋愛に関しても誰とでも関係を持つなんてこともしません。
ただ、キリスト教徒と言っても、どの程度忠実に信仰しているのかによります。「自分はキリスト教徒だ」と言っているのに教会にも行かなくて、聖書のことも全然知らない人もいます。自分のハウスメイトなんかは、毎週教会に行ってすごいクリスチャンですが、パーティーになったら酒をたくさん飲んで酔っぱらったりします。もちろん、述べたようなクリスチャンの人もたくさんいます。特に毎週教会に来ているような人はそういう人が多い気がします。ただ、どういった人が健全なクリスチャンか?というのは、あまりに深い話になりますので、またの機会に。
聖書に触れる
教会に行くクリスチャンの友人ができると、次は「一緒に聖書を学ばない?」という誘いを受けます。聖書を少しでも知っておかないと教会に行っても話は分からないし、そもそもキリスト教について学ぶことも聖書なしではできないです。
①グループについて
基本的にキリスト教の多い国の大学なら、聖書を勉強するサークルみたいなのが公式的にあるはずです。また、そこでは聖書を学ぶだけでなくて、ご飯を一緒に食べたり、スポーツする楽しい時間もあることが多いです。ただ、大学で聖書を学ぶグループは何個も存在すると思います。グループ自体で学ぶ内容に他のグループと比べて極端な差はないと思いますが、モチベーションやクリスチャンじゃない人への教え方の差みたいなのはあるようです。いくつか行ってみて、自分に合ったグループに所属するといいと思います。
②質問していい
聖書を読みながら「え?これどういう意味だ?」と思うことができてきます。そういうときは遠慮なく質問することができます。それは本当に初歩的な内容でもいいですし、複雑な内容でもいいです。どんなに基本的なことでも、聞けば喜んで教えてくれます。なので、「これ聞いたら、何も知らないと思われるのでは?」と躊躇せずに、どんどん質問して、学ぶといいと思います。また、「自分はこう思うんだけど?」と議論するのもいいでしょう。ただし、どんなときも相手へのリスペクトを忘れずに。
③始まりとゴール
聖書を学び始める理由は何でもいいと思います。「英語の勉強になるから」「聖書に興味があるから」「友達ができるから」「ご飯が食べられるから」「行くと誰かが喜んでくれるから」などなど。実際に最初はそんな理由がほとんどだと思いますし、出だしはそれで十分だと思います。
しかし、あくまでも1つのゴールは聖書を学んだうえで、クリスチャンになることです。なので、ただ楽しいからと毎週参加していると「なんで、たくさん聖書学んだのにクリスチャンにならないの?」と質問されたときに、答えられなくなってしまいます。
学びながら、自分自身がクリスチャンになるということについて、しっかり考えるいいと思います。
最後に
自分の知り合いの日本人でもクリスチャンになった人を何人も知っています。特に海外へ留学したりしたことを機会にキリスト教に触れて、クリスチャンになったというケースが多いように思います。
クリスチャンになるという境みたいなのは教派に違うようで、洗礼を受けてからという場合もあれば、信仰を持てばクリスチャンということもあるようです。
キリスト教を学んで「いいな、クリスチャンになろう」と思って、なることはいいと思います。
ただ僕は、人にはチョイスがあると思います。
他の人が「なった方がいいよ」と勧めてきても、自分の中で決心がないなら、それはまだなるときではないと思います。また、学んだ結果、やっぱり合わないとか信仰を持てないと思うなら、それもそれでいいと思います。間違えても自分の友人のように、「みんなが、なれなれ言うから面倒くさくてクリスチャンになった。」という軽い考えでなるのは、やめるべきです。自分は何事も学ばないで良し悪しと言うものは決めつけられないと思うので、食べず嫌いにならずに、教会に行ったり、聖書を読んだりして、しっかり学んで見極めてくれるといいと思います。
長々と書きました。この文章がこれから留学する人、またキリスト教に興味のある人の助けになると嬉しいです。
また、今回の記事投稿に際し、チェックしてくださったみなさん、ありがとうございました。
もし、質問やアドバイスがあればご連絡ください。
教会探すの手伝ってとか、相談があればご連絡ください。ただ、あまりに難しい内容や、特定の教派への意見等を求められても困りますので、その点はお控えください。
Facebook: https://www.facebook.com/shinya.hiyama
e-mail: hiayama_9555[at]yahoo.co.jp ([at]は@にしてください。)