みなさん、こんにちは!めぐみです!
少し前の授業で、気候変動(Climate Change)が農業に及ぼす影響を学びました。その授業のレポートでは、「気候変動が日本のコメ生産にどのような影響を与えるのか」について書きました。今回はその内容を簡単に紹介できたらと思います。
2080年。このまま地球温暖化が進み続けると、日本の平均気温は約4.5℃上昇すると予測されています。北部のほうが平均気温の上昇が大きく、日本のコメの67%が生産されている北日本では約4.9℃の上昇が予測されています。北日本でコメ生産の盛んな新潟県を例にとると、現在の8月の平均気温は26.6℃で、2080年には31.5℃になると予想されます。コメの生育に最適な気温は20~30℃なので、コメの生産には暑すぎる気温となってしまいます。
コメはもともと熱帯性植物であるため、1.0~2.5℃の上昇であれば、生産量は増加すると予想されています。しかし、それ以上気温が増加した場合、生産量は減少してしまいます。気温が約5℃上昇した場合、約6%のコメ収量減少が見込まれます。
また温暖化はコメの品質にも大きく影響を与えます。近年は登熟期(穂が出てから20日間)に気温が高く、また夜間も高温であることが要因となり、一等米の比率が低下しています。
また、この時期に26~27℃を超えると、急激に白未熟粒が増加することが確認されています。
さらに、温暖化によるカメムシ類や、植物の病気を媒介するウンカ類の北上も確認されており、害虫の増加、それに伴い病気の拡大が懸念されています。
気温の上昇は、降雪量の減少と雪解け時期の早期化をもたらし、田植えの時期に使用可能な河川の水が限られてしまう可能性も考えられます。
気候変動は温暖化だけではなく、近年よく見られる「異常気象の増加」も予測されています。豪雨や強風、それによる洪水、あるいは干ばつなどの異常気象の頻度が増加することが見込まれています。それにより、作物に深刻な被害が及ぶと言われています。
さて、気候変動に対して、お米農家の方たちはどう対応していくべきなのでしょうか?まず一つ目に、高温耐性のある品種に切り替えることができるでしょう。また、田植えの時期を早めることにより、出穂時期をずらし、品質を管理することができます。他にも、水の量を気温に合わせてこまめに調整(寒冷時は深水・温暖時は浅水)し、水の保温効果を生かした温度管理も重要となるでしょう。落水(水田の水を抜き、収穫のために稲を乾燥させること)時期を遅らせ、もみ数の過剰や栄養不足を回避することも必要です。
また、害虫に関しては、殺虫剤で防除されることが多いですが、土地の持続性を考えると、生物的防御(害虫を食べてくれる虫を土地に導入することにより、害虫を減らす)を行うことも効果的でしょう。
今回は気候変動の紹介と、農家の方たちができることを書いてみました。次回は、私たちが何をできるのか、書きたいと思います。