ようやく、家が探しを脱して仕事探しへ手をつける。
フランス語で書いた履歴書と、日本から持ってきた創作フランス料理のアルバムをカバンに押し込み、目をつけていたレストランへいざ出陣。
とにかく、真正面から突っ込んでみる。片言のフランス語で。
『シェフに会わせてください、ここで働きたいです。』
反応は店によって様々。履歴書を受け取ってくれるところもあれば、門前払いもあり。
が肝心のシェフにはほぼお目にかかれなかった。
とにかく行動あるのみだった。あとは仕事さえ見つかれば。ひたすらその思いで突っ走る。
1日が終われば家に帰ってレストランを検索し、次の日に向かう場所を決める。
メールもついでにしてみる。
なにはともあれ、興味を持ってもらえねばならなかったし、あとはタイミングが合うのを願うばかりだった。
忘れもしないのは、居住区と同じ場所にある2ツ星レストランからの返信だった。
明日とりあえず来てくれ。と返事をいただき、一気に高揚。
行ってみると、2,3人の日本人の姿が見えた。親日のオーナーが営むガストロノミーのレストランだった。彼らは辻調理専門学校からリヨンへ来た研修生で、オーナーの好感的な受け入れで学校と提携し働いていた。
『ビザはなにか。学校から来たのか。』
友達にその場で通訳してもらい、自分でワーホリ取って働きにきたと伝えると途端にしかめっ面。
『多分いけると思う。週明けに連絡する。』
そう言われ、パスポートとビザのコピーを渡して連絡待ちに。
大丈夫か、いやいけるだろ。ようやく星付きに巡り遭えたんだ。
そう願わずにはいられなかった。
週明け、待てど待てども連絡なし。
その間もレストランへ突撃真っ最中。全戦全敗。
日も落ちて暗くなり、いよいよ不安がマックス。
友達に説明して電話をかけてもらった。
しばらくのフランス語のやり取り、まったくついていけるはずもなく、内容を想像する。
いけるか。いけるか。いけるだろ。
『君は働けない』
電話を切って彼はそういった。
家に帰ってメールをチェックし、返信がないことを確認。
さあ次のレストランはどこだろうか。
心は押しつぶされまいとして、次から次を目指す。
さあ次のレストランはどこだろうか。心は押しつぶされまいとして、次から次を目指す。
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