4回目のタイ渡航が決まり、準備をしている中、世界では不穏な空気が漂い、多くの血が流れていた。
今回ほど、不安な渡航はなかった。正直、狙われてもおかしくない活動ではある。そんな不安を押しつぶし、スーツケースへと詰め込んだ。ちっぽけな覚悟を決めて。
今回は初めて、農作業を行った。傾斜はどれくらいあるだろう急斜面に焼畑をした後に毎年いろんな作物を植える。今回は「玉ねぎ」だ。日本でいう紫玉ねぎの小さいver.
お母さんたちの手さばきはもちろんのこと、小さな子どもたちは遊びながらも手伝いをする。
自然との共生。そこに生きる彼らの強さ、たくましさと優しさに触れた。
また、彼らの歌う歌は何とも言えない美しさである。どうしたらそんなに綺麗に歌えるか教えてほしい。本当に心に響く。というか「錆びついた鐘」のさびが取れながら徐々に響いて行く感じなのである。おそらくこの感動はどんな言葉を使ってもウソになる。
最後の夜、お父さんが「この村にずっと居たかったら娘と結婚すればいい」と言ってくれたのは、素直にうれしかった。
村人との別れぎわ、村人の涙を見て、「ありがとう」しか言えなかった。
4泊という時間がこれほども濃いものだとは思わなかった。
短いからこそ、この絆は生まれたのだろう。この出会いは間違いなく奇跡だ。
他の参加者が言った。「自分が小さい時にこんなタイの山奥の村に来ることを想像できただろうか?」
村人も言った。「神様が私たちを会わせてくださった。」