Canpath
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美しい目とギザへ

ついに辿り着いた。夢の大陸の土を踏む。来たぞ、アフリカ大陸。僕の中ではエジプトに来たということよりもアフリカ大陸に来たことの方が大きい。もちろん多くの人はサハラ以南に行かなければ本当のアフリカに来たことにはならないと言うが、それでも地理の上では立派なアフリカ。それにエジプトはサッカーのアフリカカップで優勝したではないか。

空港にはホテルから無料送迎タクシーが出ていて、髭面のおっちゃんが到着ロビーで出迎えてくれた。僕のアラビア語が結構通じる。よし、なんかやる気が出てきたぞ。

ホテルにチェックインしてから早速外に出て、歩き始める。地図はない。ガイドブックもない。地球の歩き方ぐらい、わかってる。僕はナイル川の方へ向かった。

すごい!何がって川辺でいちゃついてるカップルの数が。こんな光景パレスチナでは絶対見られない。なんかもうこういう自由な雰囲気のところに来れただけで十分ストレスが抜けていく。ああ、来てよかった、エジプト・・。

カイロには大学院時代の同志が住んでいるが、今は仕事でアフガニスタンに行っているため、彼女の妹にギザのツアーをアレンジしてもらった。というわけで、明日はギザに向かう。


僕は朝9時、ホテルの前でガイドのマハを待っていた。「美しい目」という名の女性を朝から待つなんて、これからどんなロマンスが待ち受けているのかとドキドキしていたら、数キロ先からでも確認できそうな派手な青い服を着た小太りのおばちゃんが来て、「あなたね」と言ってきた。

「大きいものから言って、キプオス、キフルン、ミキリノスの墓。おわかり?」
あれ?クフとかいう名前のファラオはいなかったんだっけ?とりあえず地元の人が呼んでいる呼び名をノートに書き留める。マハは個人ガイドも手慣れたもので、 一通りの説明の後、「はい、じゃああたしはここで待ってるからピラミッド見てらっしゃい」と、悠久の歴史に触れて一人の世界に入り感動する時間をちゃんと設けてくれる。

ピラミッドやスフィンクスなどを見た後、マハと運転手に礼を言い、ラムセス駅で降ろしてもらった。明日あさってアレクサンドリア、その後夜行列車でルクソールという日程に決定。そう言えば「深夜特急」で沢木耕太郎が旅していたのと、今同じ年齢だ。でも16歳のときにそれを読んだ僕は18歳のときに欧州横断のバックパッカーを経験し、目的のない一人旅にすでに飽きていた。今こうして一人で旅をするのも、実は本当にしたいことではない。感動は共有してこそ価値の出るものだから。彼のように一人で自分探しなんて、僕には似合わなくていい。

マハに教えてもらった、Nagiub Mahfouzが作家仲間たちと集っていたというカフェ「Cafe riche」に向かう。テーブルチャージのあるお高くとまったカフェだったが、今は亡き文豪の影が余韻を残しているようで、気分がいい。Gabrial Garcia Marquezを読みながら名物ハイビスカスティーを飲んで退散した。

この記事を書いた人

一風
現在地:イギリス
オランダの大学院を出て人道支援を始める。現在国際機関に勤務。

一風さんの海外ストーリー