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アメリカの就職事情

先日、学内で開かれていたキャリアフォーラムに参加してきました。
私が通っているのはコミュニティカレッジで日本でいう短大に近くそんなに大規模ではないのですが、就職事情について興味深い話が聞けました。

まず会場に入って驚いたのはカジュアルな雰囲気
スーツを着ている人はおらず、みんな普段着。
各社のブースがあるのですが、各テーブルには自由にもらえるお菓子や文房具。
担当の方はザ・人事!という感じではなく、あくまで一社員としてきているという印象でした。
5,6分気軽に話してから、興味があったらここにアクセスしてね、と名刺や紹介のチラシを渡されました。
事業内容や社員、収支が紹介された分厚い冊子を用意している企業がなかったのも驚きでした。

また、ブースでの対応も日本とは異なるものでした。
日本でも就活を経験しましたが、企業がまず自社の説明をし、質疑応答をする、というのが一般的な流れでした。
でも今回ブースでまず聞かれたのは、「何がしたいの?」「何ができるの?」。
つまり、
「自分はどのようなことを勉強してきて、このようなことができてこんな仕事がしたい。ここでできますか?」
こういったことを確認するような流れです。
自社の説明よりも学生のニーズにまず耳を傾ける、その姿勢を新鮮に感じました。

あるブースで、日本人でこちらの飲食業に就かれている方とお話をすることができました。
日本とアメリカの雇用と学歴に関する考え方の違いを話してくださいました。
その方がおっしゃっていたのがこのようなことでした。

・アメリカ社会は学歴主義が日本よりも強い。
・どの大学を出たかはあまり重視されないが、短大卒か、四大卒か、学士か博士か、といったことが重視される。
・ダブルディグリーをする人が多い理由として、制度的な理由と社会的な理由とがある。
制度的な理由としては、単位互換の制度が整っていて、日本でいう「教養科目」の単位を一度取得すれば再履修しなくても「専門科目」が取れ、同時に二つの学位が取得可能だから。
それ以上に社会的な理由が強く、一つの学位を持っているだけでは周りとの差別化ができないから。
・求職者の母数も、学位や資格を持っている人の母数も多いため、学位や資格を得ることで自分の価値を高める必要がある。

・昇格するのに大卒であることを条件にしている企業も増えてきており、それもあって大学に学び直しに行く人も多い
・学び直しをするにしても、教養科目は取らなくていいため、短期間で効率的に学べる
・働きながら学校に行く人も多く、そのための資金援助をしている企業も多い

アメリカのコミュニティカレッジで学んで、多様な国、幅広い年代の人がいるのにただただ驚いていましたが、その背景には他の人よりも優位に立たなくてはならない競争社会があるのです。
確かに機会が保障されていて、誰でも気軽に学び直しができるということはいいことですが、競争社会で勝ち残るための術だと思うと少し寂しい気持ちにもなりました…

次回は私が学んでいるコミュニティカレッジについて詳しく紹介したいと思います。

この記事を書いた人

Kayo Matsunaga
現在地:日本
福岡県出身 九州大学 教育学部 社会教育、生涯教育、大人の学び直し、あそび、公園 パン屋めぐり、散歩 トビタテ!留学JAPAN 3期生 シアトル、コミュニティカレッジ スウェーデン、デンマーク、フォルケホイスコーレ

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