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ベジタリアンマーク~食と宗教~

緑の日の丸のようなマーク・・・見たことがありますか?

 日本で生まれ育った私たちは世界の国々に比べて宗教色が薄く、私自身も今までの生活の中で特に宗教色を感じたことはありませんでした。(ちなみに2年前に多民族国家であるオーストラリアに留学した時、友人がベジタリアンということで「肉なんてもうずっと食べてないな~」なんて言っていたのが初めて食と宗教の関わりを感じた時かな・・・)

そうです、これがベジタリアンマーク。

 この緑の日の丸のようなマーク、これがいわゆるベジタリアンマーク!先日シンガポールのリトルインディア(特にインド系が多く住む町)のスーパーで買ったチョコレートについていたものです。なんでも食べれます~!の日本人の私は特にこのマークに気づかず購入しました。むしろ、食べてから気づきました。というのも、そう。普段食べているのような〇治や森〇のチョコとは似ても似つかない味がしてびっくりしたからです。(実は栄養系の勉強もしていたので後述で成分分析したものを載せます・・・ね!)
 インドでは(私はインドには行ったことがありませんが)だいたいの加工食品やレストランのメニューでこのベジタリアンマークが見られるそう。右の茶色の日の丸のようなノンベジタリアンマークもあり、一般的にベジタリアンはヒンドゥー教徒とジャイナ教徒、ノンベジタリアンはイスラム教徒とキリスト教徒とシク教徒であることが多いようです。

そもそもベジタリアンってなんだ・・・?

 「ベジタリアン」この単語は一度は聞いたことがあると思いますが、実際にどういった信仰心によって、どんな食材を規制しているかご存知でしょうか?「野菜だけ食べる人々!」というイメージを持ってしまいがちですが、実際は「動物性食品を避け、植物性食品を【中心として】摂取する人々」のようです。以下の図のように、一概にベジタリアンといっても色々な区分があります。

インドでベジタリアンというとラクト・ベジタリアンを指すのが一般的らしい。欧米では宗教ではなく、健康志向のためベジタリアンを推奨する人も増えています。(私がオーストラリアで会った友達は多分こっち。)宗教上、牛が神聖な動物であるから・・・豚が不浄な動物であるから・・・等教科書だけではあまりにも勉強できないようなルールがたくさんあるので、今回はここまででごめんなさい。

ベジタリアン用チョコレートと普段食べているチョコレートを比較してみた。

 では実際の食品、今回は私が買ったチョコを普段食べている(ノンベジタリアン)ものと具体的に比較してみましょう。

【食感】
 チョコといえば口の中で溶けるような食品であると体が認識している人が多いと思いますが、ベジタリアンチョコは少しガムのような噛んでも噛んでも口の中で完全に溶け切りませんでした。

【味】
 メーカーや国によってなんとなく外国っぽいチョコだなあなんて感じるものもいくらでもありますが、ベジタリアンチョコは特にコクが薄かったような感じがしました。味が薄いというわけではありませんが、とにかくコクが物足りない感じ・・・

普段のチョコレートの原料、せっかくなので同じスーパーで買ったもの。


※原材料はその使用率が多い順に表記するのが普通。
Sugar=砂糖、Cocoa Butter=ココアバター、≪Full Cream Milk Powder=粉ミルクのようなイメージ・牛乳を濃縮乾燥させたもの≫、Cocoa Mass=ココアマス、Whey Powder=乳清・牛乳から乳脂肪分やカゼイン(乳タンパク質)を除いたもの、Emulsifier=乳化剤・(大豆レシチン)

ベジタリアン用のチョコレートの原料


 Sugar=砂糖、Milk Solids=乳固形分・牛乳から水分を除いたもの(たぶんここでは乳脂肪分もさらに除いた無脂乳固形分)、Malted Beverage Powder=飲料粉(笑)麦芽飲料のミロみたいなものだと思われる、Cocoa Powder=ココアパウダー(ココアマスからココアバターを分離したもの)、Soya Lecithin=大豆レシチン・乳化剤

このチョコは乳・乳製品も摂取しない人々用?

 インドで一般的なベジタリアンのラクト・ベジタリアンは乳・乳製品を食べることが出来るため、普通のチョコレートの原料で大丈夫なはずだと思います。なので、このチョコレートはヴィーガン(乳・乳製品もダメ)なベジタリアンの人々向けではないでしょうか。そのため、乳脂肪分が使われておらず、麦芽系のものでチョコレート感を出しているのでコクが足りないと感じたのだと思います。また、ココアバター(植物性)の使用がされていないため、植物性脂肪も少なくコクがないのでは・・・?その分カロリーは低くなるので、カロリー面だけでいうと健康かもしれませんがおいしいものは砂糖と油が使われているカロリーの高いもの!という認知が強いのでどっちもどっちでしょう。

この国じゃ気づけないこと。

 食と宗教の関係を知れば知るほど、これを食べれないから損している・・・そんな風に思うことがあるかもしれません。ただ、それは自分からの視点でしかないこと、宗教を信仰するということが身近でない人種の意見です。色々な国で宗教が密接した色々な文化がありますが、それぞれを尊重して皆が食と幸福を結び付けられるダイバーシティな食卓を理解できるようになるときっともっと世界のコミュニケーションの機会が広がるのかななんて思いました。

この記事を書いた人

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Rena Ono
現在地:オーストラリア
神奈川県立湘南高等学校卒 首都大学東京 理工学部 生命科学コース4年 神経生物研究室 トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム 自然科学1期生 IBPグリフィス52期生 留学前IELTS6.5 サーフィン始めましたin AUS ダイバーです ハンドメイドで折り鶴ピアスやってます

ダイバーシティな食卓

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by ******************* 2015-02-17 既読

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